宝篋
ほうきょう
名詞
標準
文例 · 用例
それは京都嵯峨の奥なる、小楠公の首塚のある宝篋院である。
— 上村松園 『楠公夫人』 青空文庫
私は嵯峨宝篋院へも、楠公夫人が一子正行に忠孝の道を説いている教訓的な絵を描いて納めようと思っている。
— 上村松園 『楠公夫人』 青空文庫
湊川神社の楠公夫人の像にしろ、宝篋院の楠公夫人と正行の絵にしろ、建仁寺の天人にしても、末代まで残るものであるだけに、相当の日数をかけて微塵隙のないものに仕上げなくてはならぬが、それがいずれも大作ばかりなので、この忙しさでは、なかなか手をつけられそうにない。
— 上村松園 『楠公夫人』 青空文庫
或いは無縫塔、或いは五輪、或いは宝篋印、高さは一丈にも二丈にも及ぶものがあって、米友の怪力を以てしても、ちょっとは動かし難いものばかりであります。
— 白骨の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
そして終ると、一同はまた庭上に出て、土の色も宝篋印塔の石もまだ新しい 等持院殿仁山妙義大居士 の墓所へ順にぬかずいた。
— 黒白帖 『私本太平記』 青空文庫
足利時代の寶篋印塔の一|部等で、主墳には古過ぎたり、新し過ぎたり。
— お穴樣の探檢 『探檢實記 地中の秘密』 青空文庫
この石庭の裏山に大抵の人が見逃すらしい、素晴らしい寶篋印塔のあることを發見したが、室町時代のものらしい寶篋印塔の清瘠なやつれが、灰を見るやうなさびれを感じさせた。
— 室生犀星 『京洛日記』 青空文庫
寶篋にせよ輪塔にせよ肝心なものは深いやつれの行き亙つてゐるものほど、寂莫の羽ばたきがよりよく私には聞えるのである。
— 室生犀星 『京洛日記』 青空文庫