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俗念

ぞくねん
名詞
1
標準
worldliness
文例 · 用例
その時は実に我もなければ他もない、ただたれもかれも懐かしくって、忍ばれて来る、『僕はその時ほど心の平穏を感ずることはない、その時ほど自由を感ずることはない、その時ほど名利競争の俗念消えてすべての物に対する同情の念の深い時はない。
国木田独歩 忘れえぬ人々 青空文庫
女から女を漁り、功名と富とを追う嫌悪すべき壮年期の狩猟心が去ると、名花を追うて一本の菫のそばを目もくれずに駈足する心、好意を以て寄ってくる隣人をうるさがって、知名の人との交友に急ぐ馳求の慾などが俗念であることが感じられて来る。
倉田百三 光り合ういのち 青空文庫
ものが、身に沁まぬのは俗念のためらしい。
倉田百三 光り合ういのち 青空文庫
平凡な学生、つまらない門付け、ハンブルな昆虫などがあれだけ、身に沁みて印銘するのは感受性の硬くなりがちな年配に於ては、ただその俗念と馳求の慾とから釈き放たれた、賢者らしい、更らに無心となった心にのみ可能なことであるらしい。
倉田百三 光り合ういのち 青空文庫
』美に對すれば俗念を絶つ、鏡花は其消息を解するものか、吾人をして其の欠點を指摘せしめば、豈に指摘すべき處を知らざらん哉。
八面樓(宮崎湖処子) 泉鏡花作『外科室』 青空文庫
試に実際の費用を概算するに、十名の学者に一年千二百円を給して共計一万二千円(この種の学者は世間に交際も少なく、衣食住の辺幅を張らんとするが如き俗念もなく、物外に独立して他を顧みざること恰も仙人の如き者なれば、一年の生計千二百円にて十分なるべし)。
福澤諭吉 人生の楽事 青空文庫
試に實際の費用を概算するに、十名の學者に一年千二百圓を給して共計一萬二千圓(此種の學者は世間に交際も少なく、衣食住の邊幅を張らんとするが如き俗念もなく、物外に獨立して他を顧みざること恰も仙人の如き者なれば、一年の生計千二百圓にて十分なる可し。
福澤諭吉 人生の樂事 青空文庫
やがて一篇の主題たる公孫樹の雄姿を描きてはここには長きその影を肩に浴びたる銀杏の樹天つ柱か高らかに青きみ空に聳えたる謂はば白羽の神の子が陣に立てるに似たりけりとありて、白日荘麗の観おもはず俗念一掃の清興を仰がしむ。
蒲原有明 泣菫氏が近業一篇を読みて 青空文庫
作例 · 標準
出家した彼は、俗念を断ち切り、静かに瞑想にふけった。
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成功への執着という俗念が、彼の心を支配していた。
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俗念にとらわれず、自由に生きることは難しい。
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