差し物
さしもの
名詞
標準
文例 · 用例
船長は、しかし、今は充分に「因襲的尊厳」の鎧を着て、旗、差し物沢山で控えていた。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
それへ櫛やピンの旗差し物が立てられて、白昼の往来をねって行く……と云ったら法螺と云う人があるかも知れぬ。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
そこへ例の色羽根や花飾り、飾り櫛、ピン、その他様々の旗差し物を出来るだけ賑やかにあしらったところは、奇観というも愚かである。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
浅草の空に翻る旗差し物、鐘、太鼓、鳴り物の響き、鬨の声、矢叫びの音は、皆この一人当たり一円六十八銭弱の争奪戦のどよめきと見るべきである。
— 夢野久作 『街頭から見た新東京の裏面』 青空文庫
「貝を吹き旗差し物をかざし、進む者がなければいけないのだ。
— 国枝史郎 『十二神貝十郎手柄話』 青空文庫
それでも合戦と云う日には、南無阿弥陀仏と大文字に書いた紙の羽織を素肌に纏い、枝つきの竹を差し物に代え、右手に三尺五寸の太刀を抜き、左手に赤紙の扇を開き、『人の若衆を盗むよりしては首を取らりょと覚悟した』と、大声に歌をうたいながら、織田殿の身内に鬼と聞えた柴田の軍勢を斬り靡けました。
— 芥川龍之介 『おしの』 青空文庫
旗・差し物なども、それから生れたものである。
— 折口信夫 『ごろつきの話』 青空文庫
しかし、そうなっては、無勢の我が方の不利、それよりも、旗差し物を何十本かつくり、源氏の白旗を一時にさしあげよ。
— 第七巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫