ほつれ髪
ほつれがみ
名詞
標準
unkempt hair
文例 · 用例
奥ゆかしきは小瓶にさしたる淡紅の野茨の花、風吹けば香ひ散つて其主のほつれ髪をそよがすに、更に/\奥ゆかしきは一封の、披かば二十間もやありぬらむ、切手五枚も貼りたる厚き古手紙也。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
そして、如何にも感慨にたえぬような様子で、被害者の蒼ざめた額をさわったり、ほつれ髪をかき上げたりしていたが、やがて、死人の顔とすれすれのところまで自分の顔をもって行って、まるで生きた恋人同志がするように、死人の唇に、ものの五秒間も接吻していた。
— 平林初之輔 『山吹町の殺人』 青空文庫
二階のガラス戸があき、やせた手が、そしてほつれ髪の女の瞳が見降ろされた。
— 久坂葉子 『女』 青空文庫
ほつれ髪が頬をなでるのを、眉をひそめて邪慳に掻きあげながら、「あたしの心は、誰もわかってくれないのだからよけいなことを言わずに、うっちゃっておいてくれたらいいじゃないの」「またそんな情けないことをおっしゃいます。
— こけ猿の巻 『丹下左膳』 青空文庫
夕方フラリと出ていったきり、ふけても帰らぬ左膳を待ちこがれて櫛の落ちたのも知らずに、柳の枕のはずれほうだい、うたた寝していたところらしく、ほおに赤くほつれ髪のあとがついている。
— こけ猿の巻 『丹下左膳』 青空文庫
子供は妙な眼でおじゆうを見て居る―― 軈て、おじゆうは坐り直つて、ほつれ髪を撫でつけ乍ら……『皆様、よく御参詣になりました』と云ふ。
— 死線を越えて 『死線を越えて』 青空文庫
髪の毛はそのかみのメドゥサのほつれ髪に類似し、顔は名状しがたい厭わしさだった。
— A. キングスフォード A. Kingsford 『夢日記』 青空文庫
「きょうは星祭りだなあ、お芳」 うしろを向くと、部屋の隅に、行燈の灯にさえ顔を上げ得ないで、ほつれ髪の影が、胸へ手をさし入れて、しょんぼりと俯向いている。
— 吉川英治 『銀河まつり』 青空文庫
作例 · 標準
寝癖とほつれ髪がひどいので、急いで櫛でとかした。
Illusions AI · gemini-2.5-flash
風の強い日には、彼女のほつれ髪が顔にかかるのが常だった。
Illusions AI · gemini-2.5-flash
鏡を見ると、疲れた顔にほつれ髪がだらしなく垂れていた。
Illusions AI · gemini-2.5-flash