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庭草

にわくさ
名詞
1
標準
文例 · 用例
この虫|一とせ籠に飼ひて、露にも霜にも当てじといたはりしが、その頃病ひに臥したりし兄の、夜な/\鳴くこゑ耳につきて物侘しく厭はしく、あの声なくは、この夜やすく睡らるべしなど言へるも道理にて、いそぎ取おろして庭草の茂みに放ちぬ。
樋口一葉 あきあはせ 青空文庫
小さな築山と木枝の茂みや、池と庭草は、電灯の光は受けても薄板金で張ったり、針金で輪廓を取ったりした小さなセットにしか見えない。
岡本かの子 食魔 青空文庫
」 そして彼はさう云つたあとはむつつりと無言で、丈の高い庭草を分けてのし/\と歩き出した。
岡本かの子 夏の夜の夢 青空文庫
要点だけは一歩も譲らないぞ……と思いながら、夜目にも荒れ果てた庭草の間を手を引かれて行くと、森蔭のジメジメした闇の道伝いに、杉木立の中の図書館の玄関から引っぱり込まれた。
夢野久作 けむりを吐かぬ煙突 青空文庫
夕暮のしめった色は木の葉の間々庭草の間々からわいて種々の思いを持った人の身のまわりを包む、光君は頭を深くたれていかにも考えあまった様にだんだん冷たく暗くなりまさる庭を歩きまわった。
宮本百合子 錦木 青空文庫
ややしばらく彼は枕に頭をつけたままで、窓の外の庭草に降りそそぐ夜明がたの雨を聞いていたが、あの巴里の下宿の方に居る時分どうかするとよく眠られないで夜中に眼をさましたことを思い出した。
島崎藤村 新生 青空文庫
飯かしぐゆふべの煙庭に這ひてあきらけき夏の雨は降るなりはちはちと降りはじけつつ荒庭の穂草がうへに雨は降るなり俄雨降りしくところ庭草の高きみじかき伏しみだれたり渋柿のくろみしげれるひともとに滝なして降る夕立の雨 一日のうちでは朝がいゝ。
若山牧水 なまけ者と雨 青空文庫
飯かしぐゆふべの煙庭に這ひてあきらけき夏の雨は降るなりはちはちと降りはじけつつ荒庭の穗草がうへに雨は降るなり俄雨降りしくところ庭草の高きみじかき伏しみだれたり澁柿のくろみしげれるひともとに瀧なして降る夕立の雨 一日のうちでは朝がいゝ。
なまけ者と雨 樹木とその葉 青空文庫