魁
さきがけ
名詞
標準
文例 · 用例
従って、収監されていた首魁共は、裁判所へ引っ張り出された。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
英語の先生のHというのが風貌魁偉で生徒からこわがられていたが、それが船暈でひどく弱って手ぬぐいで鉢巻してうんうんうなっていた。
— 寺田寅彦 『夏』 青空文庫
赫奕たる此の明星の持主なる、(應)の巨魁が出現の機熟して、天公其の使者の口を藉りて、豫め引をなすものならむか。
— 泉鏡太郎 『蛇くひ』 青空文庫
――これは怪しからず、天津乙女の威厳と、場面の神聖を害って、どうやら華魁の道中じみたし、雨乞にはちと行過ぎたもののようだった。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
すすきの木菟は旬はずれで、この頃はその尖ったくちばしを見せなかったが、名物の風車は春風がそよそよと渡って、これも名物の巻藁にさしてある笹の枝に、麦藁の花魁があかい袂を軽くなびかせて、紙細工の蝶の翅がひらひらと白くもつれ合っているのも、のどかな春らしい影を作っていた。
— 帯取りの池 『半七捕物帳』 青空文庫
不遇傲岸に見える小布施は、案外、時流に神経質で、十六七年も前桂子と同門で矢来町のY――先生の画室に預けられてゐた時分から、逐次独立するまで、後期印象派、ダヾ、表現派、新古典、超現実派と、およそ日本で尖端的に見える画風は魁けしてこれを取り入れ、通俗派の方面にぶつかつて行つた。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
錆びた紋どころに緑青の噴いている銅板の表羽目、長煙管を持った花魁の二の腕までは差出されるが顔は出ない狭間に作られてある連子格子。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
時々この女からイベットの持とうとする男に魁をしようとしたが、いつも負けた。
— 岡本かの子 『ドーヴィル物語』 青空文庫