真葛
さねかずら
名詞
標準
文例 · 用例
御承知の大雅堂でも今でこそ大した画工であるがその当時|毫も世間向の画をかかなかったために生涯真葛が原の陋居に潜んでまるで乞食と同じ一生を送りました。
— 夏目漱石 『道楽と職業』 青空文庫
九 真葛が原に女郎花が咲いた。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
それとは少し違う話だが、仙台藩の只野あや女、後に真葛尼といった人の著述で奥州咄という随筆風の物がある。
— 岡本綺堂 『離魂病』 青空文庫
原に真葛、川に加茂、山に比叡と愛宕と鞍馬、ことごとく昔のままの原と川と山である。
— 夏目漱石 『京に着ける夕』 青空文庫
玄関6・24(夕) そのむかし池大雅が真葛原の住居には、別に玄関といつて室も無かつたので、軒先に暖簾を吊して、例の大雅一流の達者な字で「玄関」と書いてあつたさうだ。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
お茶|盗人9・10(夕) 京都の真葛ヶ|原西行庵に小文さんといふ風流人がゐる。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
その頃は今日ほど、数多い売立もありませんでしたが、しかし時々真葛ヶ原の料理屋などで催されて居りました。
— 上村松園 『思ひ出』 青空文庫
大ざっぱに云って」「或る点そう思う、私も」 全然反対の例にとれる龍安寺の石庭のことなど喋りながら、彼等は真葛ケ原をぬけた。
— 宮本百合子 『高台寺』 青空文庫