瓜畑
うりばたけ
名詞
標準
文例 · 用例
―― 私は高い窓の鉄棒に掴まりながら、何とも言えない気持で南瓜畑を眺めていた。
— 葉山嘉樹 『牢獄の半日』 青空文庫
応急手当が終ると、――私は船乗りだったから、負傷に対する応急手当は馴れていた――今度は、鉄窓から、小さな南瓜畑を越して、もう一つ煉瓦塀を越して、監獄の事務所に向って弾劾演説を始めた。
— 葉山嘉樹 『牢獄の半日』 青空文庫
さあ、御飯を頂いて、柄相応に、月夜の南瓜畑でもまた見に出ましょうかね。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
そう言えば、欅の枝に這いかかって、こう、月の上へ蛇のように垂かかったのが、蔦の葉か、と思うと、屋根一面に瓜畑になって、鳴子縄が引いてあるような気もします。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
」「そんな、そんな事、何、こんな内、上るにも、踏むにも、ごらんの通り、西瓜の番小屋でもありゃしません、南瓜畑の物置です。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
山果庭ニ落チテ、朝三ノ食|秋風ニ※クとは申せども、この椎の実とやがて栗は、その椎の木も、栗の木も、背戸の奥深く真暗な大藪の多数の蛇と、南瓜畑の夥多しい蝦蟇と、相戦う衝に当る、地境の悪所にあって、お滝の夜叉さえ辟易する。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
瓜畑を見透しの縁――そこが座敷――に足を投出して、腹這いになった男が一人、黄色な団扇で、耳も頭もかくしながら、土地の赤新聞というのを、鼻の下に敷いていたのが、と見る間に、二ツ三ツ団扇ばかり動いたと思えば、くるりと仰向けになった胸が、臍まで寛ける。
— 泉鏡花 『瓜の涙』 青空文庫
ただ悪戯にさえ嬉い処を、うしろに瓜畑があります。
— 泉鏡花 『河伯令嬢』 青空文庫