火土
かど
名詞
標準
文例 · 用例
二十五人とは金木水火土の五形を立し、其五色を別つて二十五人とする。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
さて本元の支那人が十二禽から十二支を別に立てたのはよいが、十干の本たる木火土金水の五行をそのまま木火土金水と有形物の名で押し通したから、火は木を焼いて水に消さるなどと相生相尅の説盛んに、後世雑多の迷信を生じた。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
ことに今日にては、天地万物の元素は木火土金水にあらざることは、理化学の実験によりて明らかである。
— 井上円了 『迷信解』 青空文庫
太子町の上流に掛かった簗小屋に幾日か過ごして我が釣った鮎を葛の葉の火土焼きにして食べた味は、永久に忘れまい。
— 佐藤垢石 『水の遍路』 青空文庫
……ああ、もう止そう、おっ母さん、お体に障ります、やめて下さい、やめて下さい』 真雄は、鞴の前へ馳け寄って、どっかと、筵の上に坐ると、金火箸を把って、真っ赤な溶鉄となった玉鋼を、火土の中から引き出した。
— 吉川英治 『山浦清麿』 青空文庫
涙はこぼれて、鋼を冷まし、冷めた鋼は又、火土の中へ投げ込まれて、彼の苦しい胸の喘ぎを吐くように、鞴の呼吸にかけられた。
— 吉川英治 『山浦清麿』 青空文庫
その間に、邸内の物置小屋を、少しばかり改築して、鞴をすえ、火土を築き、鍛冶道具も窪田清音が備えてくれた。
— 吉川英治 『山浦清麿』 青空文庫
城下の鉄砲|鍛冶の火土捏ねをしていたのだ。
— 吉川英治 『上杉謙信』 青空文庫