篝屋
かがりや
名詞
標準
文例 · 用例
ちょうど一曲を弾き終ったところであるとみえ、石が届くとしばらくして撥が止んで、こんどは丘の上から、「誰だっ、つまらない悪戯をする奴は」「篝屋の警吏だ」「警吏ならなおよろしくない。
— 吉川英治 『親鸞』 青空文庫
洛内四十八ヵ所の篝屋の火も、つねより明々と辻を照らし、淡い夜靄をこめた巽の空には、羅生門の甍が、夢のように浮いて見えた。
— あしかが帖 『私本太平記』 青空文庫
すでに、洛中諸所の篝屋とは、しめし合せもあったとみえる。
— 婆娑羅帖 『私本太平記』 青空文庫
行く行く篝屋武士も、打物取って、討手方の一翼に入る。
— 婆娑羅帖 『私本太平記』 青空文庫
どんなことがあった」「辻の篝屋にかかるたび、辻立ちの武者どもが、お車の内をさし覗いたり、私へも、さまざま、嫌がらせなど、吐ざきまいた」「そんなことか」「でも、あれ御覧ぜられませい。
— 婆娑羅帖 『私本太平記』 青空文庫
――もちろん、洛内は戒厳令下にあり、夜は篝屋の火で真っ赤だが、昼は逆に人通りもなく、五月の青葉もむなしく、苦悩の都は、死に瀕していた。
— みなかみ帖 『私本太平記』 青空文庫
六角時信といえば、昨今、市中で羽ぶりのいい篝屋奉行(警視の職)のひとりである。
— 帝獄帖 『私本太平記』 青空文庫
篝屋の兵も敬礼する。
— 帝獄帖 『私本太平記』 青空文庫