忘れ
わすれ
名詞
標準
文例 · 用例
糟谷はいまがいままできょうの土曜日ということを忘れておったのだ。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
なるほどそうであったな、すっかり忘れていた、とにかく都合がえい、それではきょうさっそく上京して、あの人に相談してみよう、時重先生が心配してくれ、きっとどうにかなる、東京にいることになれば位置が低くても勉強ができる、なるべく非職などいう辞令を受け取らずに、転任したいものだ、飯くってすぐとでかけよう。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
遠いさきのことはとにかく、なにかすこしのなぐさめを得て、わずかのあいだなりとも、このつかれのくるしみを忘れる娯楽を取らねば、とてもたえられなくなった。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
喜節見訪竹の里人下総のたかし来たれりこれの子は蜂屋大柿吾にくれし子下ふさのたかしはよき子これの子は虫喰栗をあれにくれし子春ことにたらの木の芽をおくりくる結城のたかし吾は忘れず 多くの場合に人に畏敬せられた先生にして、こんなことの有ったのは世人も少しく意外に感ずるのであろう。
— 伊藤左千夫 『正岡子規君』 青空文庫
小躍りして悦んだことが今に忘れられない。
— 伊藤左千夫 『井戸』 青空文庫
真の宗教、真の詩、真の家庭、却て天真なる諸君の精神に存するということを忘れてはならぬ。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
只予の性質として人の子とあるものが只自己一身の功業にのみ腐心するは不都合である、両親を見送っての後ならば、如何なることを為すとも自己の一身は自己の随意に任せてよいが、父母猶存する間は父母と自分との関係を忘れてはならぬ。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
此の時に予の深く感じて忘れられぬは人の好意である。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫