悪面
あくめん
名詞
標準
文例 · 用例
上陸当初の日に一瞥して嘔吐を催し、現代日本の醜悪面を代表する都会と罵り、世界のどんな汚い俗悪の都市より、もっと殺風景で非芸術的な都市と評した東京は、彼が死んでも住みたくない所であった。
— 室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ 『小泉八雲の家庭生活』 青空文庫
そのくせ、人の醜悪面を見ては不公平だの、キタないのと云ってこぼして居るのだ。
— 黒島傳治 『自画像』 青空文庫
彼がブツ/\云うことも、彼が人の醜悪面ばかりを見ることも、書けば小説になるのだ。
— 黒島傳治 『自画像』 青空文庫
」といふやうな意味のことを唸りながら徐ろに腕を組んで、稍ともすれば武悪面のやうな表情を保ちながら蔭を向く癖が私に出来たのはその頃だつた。
— 牧野信一 『熱い風』 青空文庫
そして落着く先々、処関はず店を拡げては不断の武悪面を保ち続けてゐた。
— 牧野信一 『熱い風』 青空文庫
あの三人組が真黒な筆をもつて、眉毛やら※やら眼眦やらを夫々大層な武悪面に塗りあげ、後ろ鉢巻のいでたちで、出鱈目な芝居の真最中である。
— 牧野信一 『創作生活にて』 青空文庫
題名次第に依つては、ドンキホーテとも三銃士の一人とも、乃至は、いや、何の像としたつて、点頭かれさうな単に曖昧たる凹凸の武悪面だつた。
— 牧野信一 『凩日記』 青空文庫
強ひて形容するならば憤つたやうな武悪面といへるであらうが、私にして見ると寧ろ一個の単純なる蝋燭であつた。
— 牧野信一 『天狗洞食客記』 青空文庫