陰獣
いんじゅう
名詞
標準
文例 · 用例
「陰獣」では、その読者を引っかけて、引きずり込んで行く、新らしい蜘蛛の糸のような底深い筆のネバリと、飜弄自在なトリックに恐れ入りつつ、その脚色の末尾のドンデン返しの一節に到って「牛鍋」の中から「牛の毛」を発見させられた程度の残念さを、シミジミ味わせられた事でした。
— 夢野久作 『江戸川乱歩氏に対する私の感想』 青空文庫
が全体を悪夢として裏書きすべく、スバラシク成功しているが、「蟲」や「陰獣」では却って失敗に帰している。
— 夢野久作 『江戸川乱歩氏に対する私の感想』 青空文庫
その点で「陰獣」は完全に成功している。
— 平林初之輔 『「陰獣」その他』 青空文庫
一口に言えばこれらの作品に比べて「陰獣」は混濁している。
— 平林初之輔 『「陰獣」その他』 青空文庫
ところが陰獣では作者がひとりで角力をとりすぎるのである。
— 平林初之輔 『「陰獣」その他』 青空文庫
しかしもし「一寸法師」の結末が「陰獣」の結末と同巧異曲のものであったとしたら、読者が「怒り出した」という気持ちはわかる。
— 平林初之輔 『「陰獣」その他』 青空文庫
江戸川乱歩の「陰獣」のごときは、この点で、トリックを次から次へ積み重ねすぎて、かえって凝って思案にあまったという形である。
— 平林初之輔 『現下文壇と探偵小説』 青空文庫
江戸川乱歩さんの有名な小説に『陰獣』というのがありますが、あの内容に紳商小山田夫人静子が、平田一郎という男から脅迫状を毎日のように受けとる件があります。
— 海野十三 『赤外線男』 青空文庫