雷音
らいいん
名詞
標準
文例 · 用例
唐の太宗皇帝の綸命を受け、天竺国大雷音寺に大乗三蔵の真経をとらんとて赴くものじゃ。
— 中島敦 『悟浄出世』 青空文庫
最も苦しんだのは、小雷音寺の黄眉老仏のために不思議な金鐃の下に閉じ込められたときである。
— ―沙門悟浄の手記― 『悟浄歎異』 青空文庫
達磨のやうな顔で、雷音といふ仇名だつた。
— 牧野信一 『淡雪』 青空文庫
「鞭ヲ鳴ラシテ酒肆ヲ過リ服ヲアザヤカニシテ倡門ニ遊ブ――」 他の者は世話ものを歌つたが、雷音は人々の聞き慣れぬ類ひの漢詩ばかりを次々に朗吟するのが癖だつた。
— 牧野信一 『淡雪』 青空文庫
皆が歯を浮かせてゐるのも気づかずに、雷音は鬼のやうに顔を歪めて、「百万一時ニ尽クシシニ 情ヲ含ンデ片言ダモ無シ」 と続け、「こいつは拙者の思ひそつくりぢや。
— 牧野信一 『淡雪』 青空文庫
どちらも何うせ新吉には解りもしなかつたが、浦賀のお爺さんの声が響き渡ると家ぢうが滝に打たれるやうに颯々として、雷音の半鐘のやうな騒々しさとは比べものにならなかつた。
— 牧野信一 『淡雪』 青空文庫
」 などゝ雷音がみそのに戯れる様子が窺はれた。
— 牧野信一 『淡雪』 青空文庫
」 すると雷音は横を向いて黙つて了つた。
— 牧野信一 『淡雪』 青空文庫