関兼
せきけん
名詞
標準
文例 · 用例
落城ののち、忠利は数馬に関兼光の脇差をやって、禄を千百五十石に加増した。
— 森鴎外 『阿部一族』 青空文庫
その刀――手紙をよこした青年が、虎之助君の子息から借りて、青年会の席上などで剣舞をやるといふ刀、それは確か関兼英の銘のある刀である。
— 田山録弥 『田舎からの手紙』 青空文庫
其処の土間から障子を隔てた、玄関兼茶の間といった四畳半の、長火鉢の前に坐っていた女主人の辰代が格子戸の音に振向きざま、中腰に二三歩して、片膝と片手とを畳につき、するりと障子を引開けてみた。
— 豊島与志雄 『変な男』 青空文庫
有村は前から同藩の奈良原喜左衛門から関兼元二尺六寸の大業物を借りて差していたが、けさもこれを持ってきた。
— 佐藤垢石 『『七面鳥』と『忘れ褌』』 青空文庫
玄関兼居間の四畳半に、平吉と六人の子供たちが食卓を囲んで坐ると、船の食堂よりもっと窮屈だった。
— 吉田甲子太郎 『秋空晴れて』 青空文庫
幾ら乱暴でも公儀のお道具を持出すと云うのはひどい奴で、此の乱暴には文治郎も驚きましたが、鉄砲を持って来られては何分逃げる訳にもゆかんから、關兼元の無名擦りあげの銘剣の柄へ手を掛け、居合腰になって待って居りましたが、これは何うしても喧嘩にはなりません。
— 三遊亭圓朝 『業平文治漂流奇談』 青空文庫
元より覚悟の山三郎は同じく關兼元無銘の一尺七寸の長脇差を引抜いて双方馬足を進めました。
— 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し 『松の操美人の生埋』 青空文庫