茶匠
ちゃしょう
名詞
標準
文例 · 用例
手にとった忠相は、おそるおそる口を開いて、「毎年、新茶の候になりますと、諸藩から茶壺を宇治の茶匠へつかわします。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
茶匠はなかなか権威のありますもので、おあずかり申した諸侯のお茶壺を、それぞれ棚がありまして、それへ飾っておくのでございますが、そのとき……」 と、ひとくさり茶壺の説明をはじめました。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
宇治は茶どころ一 越前守は、静かな声でつづけて、「御存じのとおり、茶壺にはいろいろの焼きがございますが、各大名の壺をあずかりました茶匠においては、禄高、城中の席順に関係なく、壺の善悪によって、棚の順位を決めるのでござります。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
また、小藩の茶壺なりとも、名器でござりますれば、上位を与えられますのが、これが、宇治の茶匠の一つの権威とでも申しましょうか?
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
かくして、新茶が詰まりますまで、壺はその宇治の茶匠のもとに、飾られてあるのでございます」「すると、このこけ猿の茶壺も、柳生藩から毎年、その新茶を入れに宇治の茶匠へつかわされたものであろうかの?
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
お茶を入れる壺といってしまえば、それだけのものだが、これを宇治の茶匠まで送りとどけて、茶を詰めてかえる道中が、たいへんなものでした。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
こうやって、宇治の茶匠のあいだを往来する大名の壺を、かたっぱしからおそっているうちには、どういうはずみでか、何者かの手にはいった真のこけ猿に出会わないともかぎらない。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
宇治の茶匠からの帰り、茶のいっぱい詰まった壺を、例によってお駕籠へ乗せ、大勢で守護して通りかかったのは、堀口但馬守のお喫料を、これから江戸屋敷へ届けようという一行。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫