賑わせる
にぎわせる
動詞
標準
文例 · 用例
その時庸三は、海風の通って来る、ある郊外のコッテイジじみたホテルへ仕事をもって行こうとして、ちょうど彼女がいつも宿を取っていた近くの旅館から、最近母を亡くして寂しがっている庸三の不幸な子供達の団欒を賑わせるために、時々遊びに来ていた彼女――梢葉子を誘った。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
――あの猿と来たらまたずいぶん矮小だからな」 知っていながらわざと間違えたふりをして見せたのか、あるいは最初から事実を知らなかったのか、とにかく吉川はやっと腑に落ちたらしい言葉遣いをして、なおその当人の猿という渾名を、一座を賑わせる滑稽の余音のごとく繰り返した。
— 夏目漱石 『明暗』 青空文庫
こういう人を担ぎ出し、縦横に其筆を揮わせるのも、探偵小説創作界を賑わせる方便ではあるまいか。
— 国枝史郎 『日本探偵小説界寸評』 青空文庫
しかし、こんなことは世界の人々の好奇心を満足せしむるというだけであって、当分話題は賑わせることでしょうが、現在の世界にどれほどの影響を与えるという、本質的な問題なぞでは決してありませぬ。
— 橘外男 『ウニデス潮流の彼方』 青空文庫