舎町
しゃちょう
名詞
標準
文例 · 用例
普通の田舎町らしい――漁師町らしい――気分と、温泉町らしい特異の気分とが不調和に混同して、妙に落付きの悪い安価の印象をあたへる。
— 萩原朔太郎 『石段上りの街』 青空文庫
伊太利のナポリ辺へ行くと、市街の家並が不均斉で、登つたり降りたり、中庭を突つ切つたり、路地から路地へ曲つたりする迷路のやうな市街が多いといふことを聞いてゐるせいか、伊香保の町の裏通りを歩くと、何となく南欧の田舎町といふ感じがする。
— 萩原朔太郎 『石段上りの街』 青空文庫
翌日知らん顔をして学校に出ると、狭い田舎町の事とて、新聞の消息欄の中に「有島武郎氏○○館止宿」などゝ出ているのを発見した事などを思い出します。
— "Not till the sun excludes you, do I exclude you; 『●「或る女」巻頭のホイットマンの詩』 青空文庫
私のいる温泉地から、少しばかり離れた所に、三つの小さな町があった、いずれも町というよりは、村というほどの小さな部落であったけれども、その中の一つは相当に小ぢんまりした田舎町で、一通りの日常品も売っているし、都会風の飲食店なども少しはあった。
— 散文詩風な小説 『猫町』 青空文庫
此所に現実している物は、普通の平凡な田舎町。
— 散文詩風な小説 『猫町』 青空文庫
今過ぎて来た田舎町の店々に熟れ切つて赤黒く光つて居た柿の実の色が眼に残つて居る。
— 断片三種 『処女時代の追憶』 青空文庫
その隙間から田舎町の静かな屋並びが覗かれます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
それ故に田舎町にしては小ざっぱりとして閑かであった。
— 岡本かの子 『褐色の求道』 青空文庫