駆け歩く
かけあるく
動詞
標準
文例 · 用例
まだ十三四歳の少女で、下げ髪を振り乱し、靴の足を外輪に踏みしだいて校庭を駆け歩く時代から、あんたは、自分の心に浸みた。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
お内儀さんたちは右に左に夫や兄や情人やを介抱して駆け歩く。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
それも普通の小者ではなく、何か事件が突発したとき、非番の者をそうして呼び出しに駆け歩く小者であることがわかりましたものでしたから、さては伝六、きょうばかりはホシを当てたかなと思って、用向きを待っていると、小者は駆け寄りながら、やにわと口をとがらして右門をきめつけました。
— 足のある幽霊 『右門捕物帖』 青空文庫
野山を駆け歩く獣の仲間ででもあつたなら、一生何の苦痛も知らずに過されたらうものを。
— 島崎藤村 『破戒』 青空文庫
」と少年は大喜びで、どんどん兎の飛ぶように駆け歩くと、その身体は宛然浅草の操人形を見るようにくらくらして首を振りながら、やっている。
— 江見水蔭 『月世界跋渉記』 青空文庫
ヒロンあなたがいつも神垣の中にじっとしていると同じ事で、わたしは駆け歩くのが面白いのです。
— FAUST. EINE TRAGODIE 『ファウスト』 青空文庫
前の廊下を駆け歩くあわただしい足音をきいた。
— 久生十蘭 『黒い手帳』 青空文庫
鳴りをひそめていた楽隊はこれに勢いを得て(あなたと呼べば)と節も賑やかに囃し出す、新聞売子の面々は又してもうるさく鈴を鳴らして駆け歩く。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫