張り回す
はりまわす
動詞
標準
文例 · 用例
その前へ来て黒羅紗の日覆いなぞのかかった駕籠を停めさせる諸大名もなければ、そのたびに定紋付きの幕を張り回す必要もない。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
さあ、雨はザアザア降る、霧は山のすそのほうまで幕を張り回す。
— 島崎藤村 『力餅』 青空文庫
何でいつもそんなに引っ張り回す」 またぶつぶつ言うのをアイダがはっきり聞いた。
— A Secret Service 『諜報部』 青空文庫
磯野はその女を一、二度引っ張りまわすと、またふっつりと忘れてしまった。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
そのままじゃ、とても船にも載せられないし、陸へあげても列車にも積めないし、町を引張りまわすことも出来やしないからね」 そんな話が、あっちでもこっちでも取り交されているうちに、更に国民を愕かせるニュースが入ってきた。
— 海野十三 『東京要塞』 青空文庫
僕がこの杖を引っ張り廻すように、何かが僕を引っ張り廻すだけだ」「ハハハハだいぶ哲学的だね。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
職人はかみそりを持って、その塩辛い指で私のくちびるを引張り廻すのである。
— 小出楢重 『めでたき風景』 青空文庫
ことに例のがひいきして引っ張り廻すからサ。
— 三宅花圃 『藪の鶯』 青空文庫