古ぼけた
ふるぼけた
形容詞-語幹
標準
worn-out
文例 · 用例
然し、今日古ぼけた軒廂が退く。
— 中原中也 『河上に呈する詩論』 青空文庫
灰で塗られた雪田は、風の吹きつけた痕らしく、おもてに馬蹄形の紋をあらわしている、焼岳の右の肩から遠くの空へ、飛騨の白山つづきの山脈が、広重の錦絵によく見るような、古ぼけた煤色をぼかしている。
— 小島烏水 『谷より峰へ峰より谷へ』 青空文庫
二人の問答を聞いているのもおもしろいが、見ているのも妙だ、一人は三十前後の痩せがたの、背の高い、きたならしい男、けれどもどこかに野人ならざる風貌を備えている、しかしなんという乱暴な衣装だろう、古ぼけた洋服、ねずみ色のカラー、くしを入れない乱髪!
— 国木田独歩 『号外』 青空文庫
少なくも私の知っている知識階級の家庭の子供の七十プロセント以上はこれよりもずっと悪いか、あるいは古ぼけた靴をはいているような気がする。
— 寺田寅彦 『鑢屑』 青空文庫
漆喰の土間の隅には古ぼけたビクターの蓄音器が据えてあって、磨り滅ったダンスレコードが暑苦しく鳴っていた。
— 梶井基次郎 『ある崖上の感情』 青空文庫
ある窓のなかには古ぼけた蚊帳がかかっていた。
— 梶井基次郎 『ある崖上の感情』 青空文庫
穉いときの古ぼけた写真のなかに、残っていた日向のような弱陽が物象を照らしていた。
— 梶井基次郎 『冬の日』 青空文庫
主婦は奥の間から古ぼけた手帳のようなものを出して来た。
— 寺田寅彦 『異郷』 青空文庫
作例 · 標準
祖父が若い頃から大切にしていた形見の古ぼけた懐中時計は、表面のメッキが剥がれているものの、今でも静かに正確な時を刻み続けている。
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街外れの踏切のそばにポツンと建っている、看板の文字もかすれた古ぼけた喫茶店は、地元のお年寄りたちの毎日の憩いの場になっている。
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実家の屋根裏部屋を掃除していたら、部屋の隅で私が子供の頃にいつも抱いて寝ていた古ぼけたテディベアが、忘れ去られたようにちょこんと座っていた。
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