阿多福
おたふく
名詞
標準
文例 · 用例
店の入口にガラス張りの陳列窓があり、そこに古びた阿多福人形が坐っている。
— 織田作之助 『大阪発見』 青空文庫
そしてまた、入口に大きな阿多福人形を据えたところに、大阪のユーモアがある。
— 織田作之助 『大阪発見』 青空文庫
ややこしい顔をした阿多福人形は単に「めをとぜんざい」の看板であるばかりでなく、法善寺のぬしであり、そしてまた大阪のユーモアの象徴でもあろう。
— 織田作之助 『大阪発見』 青空文庫
そして、私をはげますように、「織田はん、また夫婦善哉書きなはれ」と言ったので、私は、「サアナア、しかし、夫婦善哉といえば、あの法善寺の阿多福の人形は助かったらしい。
— ――戦災余話 『起ち上る大阪』 青空文庫
道頓堀からの通路と千日前からの通路の角に当っているところに古びた阿多福人形が据えられ、その前に「めおとぜんざい」と書いた赤い大提灯がぶら下っているのを見ると、しみじみと夫婦で行く店らしかった。
— 織田作之助 『夫婦善哉』 青空文庫
美人を写せば美人を反射し、阿多福を写せば阿多福を反射せん。
— 福沢諭吉 『学者安心論』 青空文庫
人民もし反射の阿多福を見てその厭うべきを知らば、自から装うて美人たらんことを勉むべし。
— 福沢諭吉 『学者安心論』 青空文庫
あるいは阿多福が思をこらして容を装うたるに、有心の鏡はその装を写さずして、旧の醜容を反射することあらば、阿多福もまた不平ならざるをえず。
— 福沢諭吉 『学者安心論』 青空文庫