覆布
覆布
名詞
標準
文例 · 用例
……と思ううちに、部屋の隅の洗面器の処へ行って、手袋を穿めたままの両手を念入りに洗って参りました若林博士は、やおら身を屈めまして、寝棺の白い覆布を取り除けて、これとてもこのような室には滅多に見受けられぬ、分厚い白木の棺の蓋を開きますと、中から一個の盛装した少女の屍体を取り出しました。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
其前の白い覆布をかけた卓には、松の枝と竹を立てた、大きい花瓶が載せてあつた樣に憶えてゐる。
— 石川啄木 『二筋の血』 青空文庫
其前の、白い覆布をかけた卓には、松の枝と竹を立てた、大きい花瓶が載せてあつた様に憶えてゐる。
— 石川啄木 『二筋の血』 青空文庫
薄い藤紫の覆布をかけた電燈の光が、柔く部屋の中に溢れている。
— 松本泰 『P丘の殺人事件』 青空文庫
ゴタゴタしていたものだから、私はすっかり鸚鵡の始末を忘れていたよ」女中は独言をいいながら、帽子掛のついた鏡の前に置いてある鳥籠の覆布を持ってきた。
— 松本泰 『P丘の殺人事件』 青空文庫
」 なるほど、解剖台の上には屍体の覆布があるばかりで、さっきまで有った筈の屍体が影も形もなくなっていた。
— 海野十三 『恐怖の口笛』 青空文庫
暁を待って、覆布がとりのぞかれると、その下から、地下戦車はすこぶる怪異な姿をあらわした。
— 海野十三 『未来の地下戦車長』 青空文庫
雨でよごれたプラットフォームに、覆布をかけた郵便行嚢の高い山がいくつも出来ている。
— 宮本百合子 『播州平野』 青空文庫