掛かりっ切り
かかりっきり
名詞
標準
文例 · 用例
」 と崩るるように、ばったり坐って、「上の児は、もう原っから乳母が好いんだし、坊も、久しく私と寝ようなんぞと云わなかったんだけれども、貴下にかかりっきりで構いつけないし、留守にばっかりしたもんだから、先刻のあの取ッ着かれようを御覧なさい。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
」 すると刑事は言い訳じみた調子で、「吾輩、中の仕事にかかりっきりで。
— A STUDY IN SCARLET 『緋のエチュード』 青空文庫
一昨日の正午から昨日の夕刻迄うち中総出で、この植付にかかりっきり。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
日比谷の方面から、佩剣をがちゃがちゃいわせながら警官隊がかけつけた時は、群集を追っ払うのに三人の警官がしばらくかかりっきりにならねばならない程だった。
— 平林初之輔 『鉄の規律』 青空文庫
母は家庭向きの奥さんという性の人で、家の中の用事にかかりっきりだった。
— アナトール・フランス 『母の話』 青空文庫
「与八さん、皆さんが、あれほど有難がって頼むんですから、かかりっきりに彫刻をなさいましよ、ほかの仕事は誰でもやれますが、その彫刻は与八さんでなければ出来ない仕事でしょう」とお松が、かたわらからすすめるくらいです。
— 他生の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
あばれることもあばれますから、お世話がたいへんでしょう」「この春まで、末の子供がかかりっきりで世話をしていましたが、それが死んでからは、どうにも手がまわりかねましてね。
— 久生十蘭 『蝶の絵』 青空文庫
……なにしろ、この件にかかりっきりで、とても小火までは手がまわりませんや」「江戸の御用聞はおっとりしているというが、ほんとうだ。
— 紙凧 『顎十郎捕物帳』 青空文庫