転寐
てんぬ
名詞
標準
文例 · 用例
ところで、石段を背後にして、行手へ例の二階を置いて、吻と息をすると……、「転寐に……」 と先ず口の裏でいって見て、小首を傾けた。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
やがて目が覚めて、ああ、転寐だったと思えば夢だが、このまま、覚めなければ夢ではなかろう。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
五 主人の寝部屋の外で転寐をしてゐる家来共のためには、鬱陶しい夜であつた。
— クスミン Mikhail Alekseevich Kuzmin 『フロルスと賊と』 青空文庫
この日も君江はこの快感に沈湎して、転寐から目を覚した時、もう午後三時近くと知りながら、なお枕から顔を上る気がしなかった。
— 永井荷風 『つゆのあとさき』 青空文庫
秋の夕陽は欄干の上にさし込んでいて、吹き通う風の冷さに蔽うものもなく転寐した身体中は気味悪いほど冷切っているのである。
— 永井荷風 『散柳窓夕栄』 青空文庫
愛ちやんは自分が轉寐しながら、玉と手に手を取つて歩いて居るのを夢に見て、『さァ玉ちやん、眞實の事をお云ひ、お前これまでに蝙蝠を食べたことがあるかい?
— ALICE'S ADVENTURES IN WONDERLAND. 『愛ちやんの夢物語』 青空文庫