幻辞.com

打ち倒れる

うちたおれる
動詞
1
標準
文例 · 用例
自分の美しい肉体がむごたらしく傷つけられて、そこから静脈を流れているどす黒い血が流れ出る、それを愛子が見ているうちに気が遠くなって、そのままそこに打ち倒れる、そんな事になったらどれほど快いだろうと葉子は思った。
有島武郎 或る女 青空文庫
五足六足行きすぎたかと思われましたが、果然、野良猫が足をとられて、ころりとそこに打ち倒れると、いとも不気味な呻き声をあげながら、断末魔の苦悶を現して、たらたらと黒血を吐き垂らし出しましたので、ぎょッとしたのは京弥でした。
続旗本退屈男 旗本退屈男 第二話 青空文庫
母の姿が消えると同時に、彼が卒倒したのかと思はれるばかりに寝台に打ち倒れる――たしかに、あれは泣きくづれた動作だつた。
牧野信一 西瓜喰ふ人 青空文庫
……雨のやうなしぶきを飛ばせて……」 百合子が悲鳴をあげて逃げまどふのも関はず、連中は風に煽られた回り灯籠のやうに凄まじく、ぐる/\と回つて、やがて目が回つてばたり/\と打ち倒れるまで、かごめかごめの凄まじい堂々回りを続けた。
牧野信一 まぼろし 青空文庫
おきせにいい寄る磯貝浪江の術策はまず虚病をつかって玄関へ打ち倒れるのであるが、それを葛飾住居の烈しい蚊のためまさかにその辺へ寝かしもおけず、奥へ蚊帳吊って憩ませる、これがずるずるその晩泊り込んでしまう手だてとはなるのである。
「怪談牡丹燈籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について 我が圓朝研究 青空文庫
彼は鉄格子に背を向け、やはり身動きもしないでいるマリユスのそばに、舗石の上に、すわるというよりもむしろ打ち倒れるように身を落とした。
LES MISERABLES レ・ミゼラブル 青空文庫
……血を彩って、日を経ると、きっとそのものは生命がないというのが知れる……段々嵩じて、行違いなりにも、ハッと気合を入れると、即座に打倒れる人さえ出来た。
泉鏡花 星女郎 青空文庫
宇津木文之丞の面上に受けた木刀は実に鋭いもので、ほとんど脳骨を砕かれているのですが、さすがにその場へ打倒れる醜さを嫌い、席まで飛び込んで師の蔭に打伏したが、その時はモウ息が絶えていたのです。
甲源一刀流の巻 大菩薩峠 青空文庫
打ち倒れる(うちたおれる) — 幻辞.com