掴まえ所
つかまえどころ
名詞
標準
文例 · 用例
ここが聞きどころつかまえどころと思われるような曲折は素人の私には分らない。
— 寺田寅彦 『雑記(1)』 青空文庫
短夜の明け方の夢よりもつかまえどころのない絵であると思った。
— 寺田寅彦 『二科展院展急行瞥見記』 青空文庫
誠につかまえどころのない化け物のようなものであるが、ともかくもいわゆるジャーナリズムと称する「もの」があることだけは確実な事実である。
— 寺田寅彦 『ジャーナリズム雑感』 青空文庫
それはつかまえどころのないしかし理屈ではないところに強さがある、といった性質のものであった。
— 島木健作 『癩』 青空文庫
人相も風体もつかまえどころのねえやつらを目あてに江戸じゅう捜してみたって、目鼻はつかねえんだ。
— 首つり五人男 『右門捕物帖』 青空文庫
こう思うと、僕の生涯が夢うつつのように目前にちらついて来て、そのつかまえどころのない姿が、しかもひたひたと、僕なる物に浸り行くようになった。
— 岩野泡鳴 『耽溺』 青空文庫
それは何も、表立った白洲にかかっているわけではなく、どこといってつかまえどころのない、底にうごめいている暗流のようなものであったが、忠相は、そこに、早晩何らかの形で、事件として持ち込まれてくるであろう可能性をみたのだ。
— 林不忘 『巷説享保図絵』 青空文庫
)とかいう人の演説とか座談とかを仄聞するに、口碑伝説もいいが、ただ取っつかまえどころがなくて困るといわれたとのことである。
— 佐々木喜善 『東奥異聞』 青空文庫