見るはる
みるはる
動詞
標準
文例 · 用例
――独房の窓から見た空の青さや、その小さな空間にはひつて来る鳶や、五位鷺や、その窓からのび上つて見るはるかにかすんだ下界の眺めなどにいたつては、あれほどの風光といふものはほかにたづねて得られるものではない。
— 島木健作 『忘れえぬ風景』 青空文庫
)ぞっと私は凄くなって、若い人の袖を引張って、見はるかしの田畝道へ。
— 泉鏡花 『開扉一妖帖』 青空文庫
見はるかす段丘の雪、 なめらかに川はうねりて、天青石まぎらふ水は、 百千の流氷を載せたり。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 五十篇』 青空文庫
臥し向っている洋室|擬いの腰張のニス板が、睫毛の間から見はるかす限りもない大地の拡がりに感ぜられて来ました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
揚幕の霞を出づる、玉に綾なす姿とともに、天人が見はるかす、松にかかった舞台の羽衣の錦には、脈打つ血が通って、おお空の富士の雪に照栄えた。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
天氣を周するもの、六期を一備となし、地紀を終るもの、五歳を一周と爲す、君火は明を以てし、相火は位を以てす、五と六と相合して、七百二十氣を一紀となす、凡べて三十歳なり、千四百四十氣、凡べて六十歳なり、而して不及太過斯に皆|見はる、と云つて居る。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
「今のはほんの一例だが、推理の結果がそばにいる者にとって目を見はるようになるのは、その者が演繹の基点となるささいな一点を見逃しているからだ。
— THE CROOKED MAN 『曲れる者』 青空文庫
僕の話のあと、娘は座ったままじっと考えていて、やがて一大決心したように顔を上げると、目を見はるべき告白が始まった。
— THE CROOKED MAN 『曲れる者』 青空文庫