来早
らいはや
名詞
標準
文例 · 用例
上京以来早朝の水垢離を執ることを怠らなかった彼も、その朝ばかりはぐっすり寝てしまって、宿の亭主が茅場町の店へ勤めに通う時の来たことも知らなかった。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
僕も、正月以来早く八幡村を立去らうと思ひ、或は広島の城谷の家に置いて貰つて一時就職しようかとも考へてゐましたが光太の処に部屋があいてゐて置いてやつてもいいと云ふので早く上京しようと思ひます。
— 家族・親族宛 『書簡』 青空文庫
しかし、技能は技能として、船の風紀は風紀の問題です、船の統制上、その風紀を紊乱した奴を、安閑としてそのままには置かれないのは当然です、拙者に於ても帰来早々、断然たる放逐処分を貴君に進言するつもりで意気込んで戻って来たのですが、あいつの操縦の腕を見ると、不覚千万にもその意気込みが少々鈍ってきたのです。
— 農奴の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
アンドレイ、エヒミチは帰来早々まずその住居を尋ねねばならぬ。
— アントン・チエホフ Anton Chekhov 『六号室』 青空文庫
実は執心の人形ようよう手に入り申、帰来早速御案内申上度と存じながら肩の凝りを休め居候折柄、御状に接し茫然自失、とんと興ざめ申候。
— 谷崎潤一郎 『蓼喰う虫』 青空文庫
何故に有馬が先ず彼によって取り上げられたかというと、彼は渡来早々有馬晴信の改宗に関与したからである。
— 日本の悲劇 『鎖国』 青空文庫
江戸表から帰来早々、老公は一夜人々をあつめて酒をもてなした。
— 吉川英治 『梅里先生行状記』 青空文庫
古い物語に母一人子一人、夕の山路を物淋しく通っていると、早来早来とこの鳥が啼いた。
— 野鳥雑記 『野草雑記・野鳥雑記』 青空文庫