岩崩れ
いわくずれ
名詞
標準
文例 · 用例
その山頂にしても、素焼の山の膚に、つや薬でも流したような、崩雪や岩崩れの跡が、切り刻みをつけている。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
もう河も遠くはないなと思ったので、岩崩れのした側崖を横切ると荷を卸してゆっくり一休みした。
— 木暮理太郎 『奥秩父の山旅日記』 青空文庫
岩崩れがして凄じくのり出した崕の下をソッと通り抜けて明るみに出る、這いつくばった蟾蜍のような岩が二つ三つ重り合って、狭い谷の口を遮っている。
— 木暮理太郎 『黒部川奥の山旅』 青空文庫
上高地へ下る 明る二十七日は天候さえ良好ならば、午前三時頃に小屋をお立ちになって、一日に槍穂高間を御縦走なさる御予定であったが、早暁より風も強く雲も低く垂れて、岩崩れや落石の危険あるこの山稜では、万安を期し難い天候であったから、御予定の変更をお願い申上げるのが至当であるように考えられた。
— 木暮理太郎 『秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ』 青空文庫
黒カレの薄黒い岩崩れが、山骨を剥き出す所を横切る。
— 中村清太郎 『ある偃松の独白』 青空文庫
落葉は数日の間にさらに厚味を加え、雨畑川の源頭御厩谷あたりから七面山へかけて、雲が幾重にも山を浮べ、時に岩崩れの響きに耳をそばだてながらも、空山に款冬の緑が点々たるところ、ふと早春のような錯覚さえおぼえるほど、なごやかな景色であった。
— 中村清太郎 『ある偃松の独白』 青空文庫