虐遇
ぎゃくぐう
名詞動詞-サ変
標準
ill-treatment
文例 · 用例
私は、これだけの虐遇と迫害に会いながら、なおも神様の禁責を恐れている私たちのまごころを、この瓶に封じこめて、海に投げ込もうと思っているのです。
— 夢野久作 『瓶詰地獄』 青空文庫
さればかかる文壇から、詩が常に虐遇されることは当然である。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
まして人一代に僅に七度來るといふ好運の齎らすところの福の如きが、惜福の工夫無くして、福神を酷待虐遇するが如き人に遇つて、何ぞ滅跡亡影せざらんやである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
少年はお蓮といえりし渠の姉が、少き時配偶を誤りたるため、放蕩にして軽薄なる、その夫判事なにがしのために虐遇され、精神的に殺されて入水して果てたりし、一条の惨話を物語りつ。
— 泉鏡花 『化銀杏』 青空文庫
嗚呼恋愛よ、汝は斯くも権勢ある者ながら、爾の哺養し、爾の切に需めらるゝ詩家の為に虐遇する所となる事多きは、如何に慨歎すべき事ならずや。
— 北村透谷 『厭世詩家と女性』 青空文庫
またお菊は幼少の時|孤児となり叔父の家に養われたりしが、生れ付きか、あるいは虐遇せられし結果にや、しばしば邪の径に走りて、既に七回も監獄に来り、出獄の日ただ一日を青天の下に暮せし事もありしよし。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
それが十三郎を慕うので、主人が嫉妬から女を虐遇する。
— 森鴎外 『ヰタ・セクスアリス』 青空文庫
此ノ國際間ニ於ケル民族ノ老幼ヲモ壓迫シ虐遇セザルベキ人道主義ガ則チ民族主義ノ終局理想タルベキ者ナリ。
— 北一輝 『日本改造法案大綱』 青空文庫