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殻一

からいち
名詞
1
標準
文例 · 用例
雑所は前のめりに俯向いて、一服吸った後を、口でふっふっと吹落して、雁首を取って返して、吸殻を丁寧に灰に突込み、「閉込んでおいても風が揺って、吸殻一つも吹飛ばしそうでならん。
泉鏡花 朱日記 青空文庫
どう仕様も無く、この貝殻一つに救ひを求めた時には、あけるかも知れない。
太宰治 お伽草紙 青空文庫
あれまでは、トリエステの湾はおろか、アドリヤチックの海の何処にだっても、砲弾の殻一つ落ちなかったのではございませんか。
小栗虫太郎 潜航艇「鷹の城」 青空文庫
しかし行けども行けども同じような低い、丸い砂の丘ばかりで、見渡しても見渡しても船の影はおろか、貝殻一つ見当らなかった。
夢野久作 怪夢 青空文庫
これは完全流線型というやつで、二枚貝の貝殻一つを、うんと縦に引伸し、そして道路の上に伏せた――といったような恰好であった。
海野十三 地球要塞 青空文庫
紅い色の貝殻一つ、かすかにひびく松風一つが私にとりてどんなにも数多き思い出の種子だったでございましょう!
浅野和三郎 霊界通信 小桜姫物語 青空文庫
彼はその後父親に託けて貝殻一|包と見事な鳥の毛を何本か送って寄越した。
魯迅 故郷 青空文庫
傍の墻より高粱の殻一本を抽きて、これを横たへて、帯を解きてその上に掛け、頭を引いて縊るる為したり。
蒲原有明 『聊斎志異』より 青空文庫