逵
逵
名詞
標準
文例 · 用例
「水滸伝」の翻訳したのは馬琴蘭山を待つて大に行はれたのであるが、其の後盛んに芝居にも行はれ、魯智深、史進、李逵、浪裡白跳張順など痛く彼等の理想に投じたものがあつたらしく、其の背に彼等の花繍などをせぬならば、大哥の面目を損じた様な風を形づくつた。
— 幸田露伴 『侠客の種類』 青空文庫
日は石面を射て白光身を繞り、ここの塔かしこの龕を見めぐらせば、宛然立ちて一の大逵に在るごとし。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
然るに奇とすべきは、その人が康衢通逵をばかり歩いていずに、往々|径に由って行くことをもしたという事である。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
また羊の性はその死を聞きても敢えて怖れぬという宋の王逵が明文あり。
— 羊に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
その中でも乱暴者の急先鋒は我が奈良原少年で、仲間から黒旋風李逵の綽名を頂戴していた。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
幅廣き美しい内丸の大逵、師範學校側の巨鐘が、澄み切つた秋の大空の、無邊際な胸から搾り出す樣な大梵音をあげて午後の三時を報じた時、自分は恰度其鐘樓の下を西へ歩いて居た。
— 石川啄木 『葬列』 青空文庫
市の中央の大逵で、然も白晝、穢ない/\女乞食が土下座して、垢だらけの胸を披けて人の見る前に乳房を投げ出して居る!
— 石川啄木 『葬列』 青空文庫
幅廣く、塵も留めず美くしい、温かな秋の日に照された大逵を、自分が先刻來たと反對な方角から、今一群の葬列が徐々として聲なく練つて來る。
— 石川啄木 『葬列』 青空文庫