突っつき
つっつき
名詞
標準
文例 · 用例
代助は鋏の先で観世撚の結目を突っつきながら、面倒な手数だと思った。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
ある時は餅菓子の代りに煮豆を買って来て、竹の皮のまま双方から突っつき合った。
— 夏目漱石 『硝子戸の中』 青空文庫
お兼さんがちょっと用があって奥へ立った時、岡田はわざと低い声をして、自分の膝を突っつきながら、「なぜあいつに対して、そう改まってるんです。
— 夏目漱石 『行人』 青空文庫
その時の彼女の態度は、細い人指ゆびで火鉢の向側から自分の頬ぺたでも突っつきそうに狎れ狎れしかった。
— 夏目漱石 『行人』 青空文庫
三四郎は「ええ、ありがとう、おかげさまで」というようなことをまじめに答えながら、下を向いて、お猪口の葡萄豆をしきりに突っつきだした。
— 夏目漱石 『三四郎』 青空文庫
小太郎は、土間の人数、表の気配をうかがって、それが、相当に多人数であると、判ると同時に、憤りと、悔恨とが、頭の中を、突っつき廻して、馳せめぐった。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
矢代は、葬列か凱歌かしれぬこんな光景が暫く眼の前を通過しているのを見ている間に、何ぜともなく久慈を突っつきたくなって来たが、それもじっと胸もとで耐えた。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
すると、僕のすぐ前にいた奴が、狐のような声を出しながら、僕の顔をげんこで突っつき始めた。
— 大杉栄 『日本脱出記』 青空文庫