犬屋
いぬや
名詞
標準
文例 · 用例
「君は実験用の犬屋だろう」 吾輩は面喰らった。
— 夢野久作 『超人鬚野博士』 青空文庫
成る程、実験用の犬屋というものはコンナ姿のもんかなと思ったから黙ってうなずいた。
— 夢野久作 『超人鬚野博士』 青空文庫
実は今まで僕の処に出入りしていた実験用の犬屋君が死んじゃったんだ。
— 夢野久作 『超人鬚野博士』 青空文庫
それに今は時節柄、軍用犬の方の仕事もひどく忙しいんでね」「おやおや、犬が好きだってことは聞いていたが……、すると犬屋か」「左様――」 喜村は、又鼻の下を撫ぜて、大きく頷くと、何かを思い出したように、あわてて元のボックスに戻って、脱ぎのこしてあったオーバーを抱えて来た。
— 蘭郁二郎 『睡魔』 青空文庫
又、夏の末になつてから、外人に賣りつけに立派な洋犬を何匹もつれてきてゐた犬屋が、輕井澤ホテルで賣殘りの犬のオークションをやつたことがあつた。
— 堀辰雄 『高原にて』 青空文庫
皆さんが犬屋で日本犬の仔犬をもとめる場合に、これは何犬ですか、とお訊きになると、たいがい犬屋は、「秋田犬です」 と胸をそらして答えるのが普通である。
— 秋田犬訪問記――秋田の巻―― 『安吾の新日本地理』 青空文庫
東京では日本橋のワシントンという犬屋に出羽号の何世だかのメスがいる以外には、血統の正しい大型は殆ど見かけることができないだろうという話であった。
— 秋田犬訪問記――秋田の巻―― 『安吾の新日本地理』 青空文庫
犬屋は純粋種に似せることを目的にしているから、私が本当のことを書くと困るのだけれども、規格とか標準以上の改良種や、新種をつくることを目的にし、商法の上でもそれを明らかにしておけば、めいわくするはずもなく、その方が本当に面白味もあり、やりがいもあり、モウケにもなる仕事のはずなのだ。
— 坂口安吾 『明日は天気になれ』 青空文庫