睦言
むつごと
名詞
標準
lovers' talk
文例 · 用例
外面女菩薩――内心如夜叉 心得たか、と語らせ給へば、羅漢の末席に侍ひて、悟顏の周梨槃特、好もしげなる目色にて、わが佛、わが佛殿と道人の問答より、木の葉を衾の男女の睦言、もそつとお説きなされと言ふ。
— 泉鏡花 『妙齡』 青空文庫
」 と、まだ寝ないで、そこに、羽二重の厚衾、枕を四つ、頭あわせに、身のうき事を問い、とわれ、睦言のように語り合う、小春と、雛妓、爺さん、小児たちに見せびらかした。
— 泉鏡花 『みさごの鮨』 青空文庫
爾来ことにおとよに同情を寄せたお千代は、実は相談などいうことは第二で、あまり農事の忙しくならないうちに、玉の緒かけての恋中に、長閑な一夜の睦言を遂げさせたい親切にほかならぬ。
— 伊藤左千夫 『春の潮』 青空文庫
で水夫たちは、西沢が全力をあげて混ぜっかえすにもかかわらず、三上をおだて上げて、その睦言の全部を繰り返させた。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
夫は幾世死ぬよの睦言も聞かず、姿有つて媚無きは人形同然と飽き果て送り返す途中、交野の辻で雉の鳴くを聞き射にかゝると駕の内から妻が朗らかに「物いはじ父は長柄の人柱、鳴ずば雉も射られざらまし」とよんだ。
— 南方熊楠 『人柱の話』 青空文庫
K夫婦の新婚当座の甘い夜毎の睦言を他所に、米三君はその狭い上り端の三畳でおそくまでこつ/\勉強した。
— 田山録弥 『田舎からの手紙』 青空文庫
A子と一緒に入つて来たのは、彼女が常々余程愛してゐると見えて二人が此処に現はれると何時までゝも抱き合つたり、頬をすり寄せて睦言に耽つたりするのが慣ひのA子の妹のやうな女学生のR子(と勝手に僕が称び慣れてゐる)であつた。
— 牧野信一 『風媒結婚』 青空文庫
私は寧ろ薄気味悪い心地で、左の肩を先にして横歩きに近づいて行くと、奴は益々猫のやうに慣れて来て、終ひには私の肩の上に長々と伸し出した鼻面を載せかけて私の顔に並べると、恰も嚶々たる睦言を語らふ如く微かな吐息を衝いた。
— 「吾が昆虫採集記」の一節 『夜見の巻』 青空文庫
作例 · 標準
二人は顔を寄せ合い、甘い睦言を交わしていた。
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星空の下で、恋人たちは睦言を囁き合った。
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遠くから聞こえる睦言に、思わず顔が赤くなった。
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