暗黒界
あんこくかい
名詞
標準
文例 · 用例
」「だから、人のやうな夢中ぢやアないのだ――身づから許して自己の光輝ある力を暗黒界のどん底までも擴張するので――」「それがあなたの發展とかいふのでしようが、ね――いいえ、そんなことを云ふやうになつたのは、あなたはここ四五年前からですよ。
— 發展 『泡鳴五部作』 青空文庫
」「そりやア、お前、觀察が足りないので――おれが「デカダン論」を書いた所以は、人間の光明界と暗黒界、云ひ換へれば、靈と肉とは自我實現に由つて合致されるものだと分つたのだ。
— 發展 『泡鳴五部作』 青空文庫
それは帝都暗黒界の鍵を握る名探偵帆村荘六として完全に還元していた。
— 海野十三 『麻雀殺人事件』 青空文庫
生か死か、覆面探偵 帝都の暗黒界からは鬼神のように恐れられている警視庁の大江山捜査課長は、その朝ひさかたぶりの快い目覚めを迎えた。
— 海野十三 『恐怖の口笛』 青空文庫
あたり前なら、二万七千メートルはなに一つ見えぬ暗黒界でなければならぬ。
— 海野十三 『宇宙戦隊』 青空文庫
彼は脊の短いがっしりした体格の男で、強固な意志が眉宇の間に窺われ、ニューヨークの暗黒界に於ける一大勢力であった。
— 小酒井不木 『変な恋』 青空文庫
牢獄の暗黒界にただ一人淋しく禁錮せられた可憐児は如何する。
— 新渡戸稲造 『イエスキリストの友誼』 青空文庫
もし、人の死を睡眠に比することを得るならば、ひとたび暗黒界に入りたる霊魂が、再び醒覚して意識の光明を発すべしと考うることもでき、古代、人間の一生を夢に比し、死は夢のさむるときなりと申したる論も成り立ちましょう。
— 井上円了 『通俗講義 霊魂不滅論』 青空文庫