朱点
しゅてん
名詞
標準
red mark
文例 · 用例
幕府と阿部家とに献ずるものは、薬袋に題する屠字の右肩に朱点を施して糅雑すること莫からしめた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
涙が赤い色のものであッたら、無数の朱点が打たれたらしく見えた。
— 広津柳浪 『今戸心中』 青空文庫
少し肝癪をおこして『国民』と『都』との「航空船爆破の実験」の記事を切抜いて朱点をつけて、実験室の壁に貼っておいた。
— 中谷宇吉郎 『寺田寅彦の追想』 青空文庫
もう大丈夫、済南駅からは遠くなるばかりですよ』 冗談をまぜながら、僕は今しがた意外に思つた地図のうへの朱点をたどつて老人を納得させた。
— 犬養健 『南京六月祭』 青空文庫
少女の足下で胸を射貫かれて死んだら、明日死ぬと誓ったこともはたされるわけだし、虚偽だらけなじぶんの半生の最後に、ただ一度、真実の朱点を打って死にたいという望みもかなうわけである。
— 久生十蘭 『墓地展望亭』 青空文庫
冷徹たぐいない真名古明を蹉跌させ、枯渇したその心情に一点朱点をうったあの美しい花である。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
甲所で盗んだ金は乙所へ隠して置き、乙所で掠めたものは丙所へ埋めて置いて、自分は常に手ごしらえの絵図面を携帯し、それへいちいち朱点を打っておいて、時機に応じ、必要に従って、その金を取り出す習いになっているのだから、ここへこうして鍬を持って来てみれば、もうその目的は問わずして明らかなのであります。
— 無明の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
江戸及び江戸の御府外を中心として、関東一円にわたるふつうの絵図面に、今日までに探り得た要所要所を朱点や暗号で、いちめんにしるしつけられた物であります。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
作例 · 標準
返却された答案用紙の誤答箇所に、先生が鮮やかな朱点を入れた。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
古書をめくると、かつての持ち主が引いた朱点が随所に見られる。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
名簿の欠席者の名前の横に、小さな朱点を打って目印にする習慣がある。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview