怒髪
どはつ
名詞
標準
文例 · 用例
異教徒席の中から赭い髪を立てた肥った丈の高い人が東洋風に形容しましたら正に怒髪天を衝くという風で大股に祭壇に上って行きました。
— 宮沢賢治 『ビジテリアン大祭』 青空文庫
神の摂理である善である然るに何故にマットン博士は東洋流に形容するならば怒髪天を衝いてこれを駁撃するか。
— 宮沢賢治 『ビジテリアン大祭』 青空文庫
――まだそんな門限の刻限ではないのに、さながら退屈男の乗り込んで行くのを看破りでもしたかのごとく、奥平屋敷の江戸詰藩士小屋を抱え込んだお長屋門が、ぴたりと閉じられてありましたので、乗りつけるや、怒髪して退屈男が呼び叫びました。
— 後の旗本退屈男 『旗本退屈男 第三話』 青空文庫
怒髪天を衝くばかりの勢であった私は一たまりもなく慄え上った。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
ちゃんとネタが上っているんだぞ」 それは真に怒髪天を衝くといった形相だった。
— 夢野久作 『冥土行進曲』 青空文庫
「……ウヌッ……」 と怒髪天を衝いた巨漢が、私の耳の上に一撃加えようとするのを、私はヘッドスリップ式に首を屈げたが、その隙に両腕を強く振ると、左右の二人が肩の関節を外して悲鳴を上げた。
— 夢野久作 『冥土行進曲』 青空文庫
スマンスマン……」 真青になって腕を捲くった箒売が、怒髪天を衝いた。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
しかも書生が放吟し剣舞し、快と呼び壮と呼び、彼らをして怒髪天を衝かしむる者は、西郷・雲井らの詩ならざるべからず。
— 正岡子規 『人々に答ふ』 青空文庫