笑いさざめき
わらいさざめき
名詞
標準
文例 · 用例
窓の下、歳の市の売り出しにて、笑いさざめきが、ここまで聞えてまいります。
— 太宰治 『虚構の春』 青空文庫
破毛布を纏ったり、頬被で顔を隠したり、中には汚れた洋服を着たのなどがあった、四五人と道連になって、笑いさざめき興ずる体で、高岡を指して峠を下りたとのことである。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
すると、集まっている人たちが笑いさざめきながら、ふたりのあいだに判決をくだすのでした。
— BILLEDBOG UDEN BILLEDER 『絵のない絵本』 青空文庫
皆は、笑いさざめきながら、日本館の方へ出て行った。
— 菊池寛 『第二の接吻』 青空文庫
そして新聞ではもう幾度もみんなそれぞれの工場に帰っている筈の間に、C・G・T・U事務所の罷工本部では、それら数千の女工連が笑いさざめき歌いどよめいていた。
— 大杉栄 『日本脱出記』 青空文庫
が、間もなく森の中から、十数人の香具師達が、流浪の人に特有の、軽快な自由な足どりで、笑いさざめきながら現われた。
— 国枝史郎 『血ぬられた懐刀』 青空文庫
或は笑いさざめき乍ら、或は高く小手をかざしながら、ぽかんと佇立った鷺太郎の前を馳抜ける時の、美少女の群の中からは、確かに磯の香ではない、甘い、仄かな、乙女のかおりが、彼の鼻腔につきささる――。
— 蘭郁二郎 『鱗粉』 青空文庫
そして田野に円舞して、笑いさざめき歌を歌う生命の活気もなければ、専念に思考を練って穿ちに穿って行く強度も無く、表情が、力の欠乏に生気を失って居ると全く同様の状態が内奥の魂にまで食い入って居ります。
— 宮本百合子 『C先生への手紙』 青空文庫