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読み耽る

よみふける
動詞
1
標準
文例 · 用例
外国文学を読み耽る兄が外国の小説の会話で一々「ねえ、イヴァン・イヴァノヴィッチ」とか「マドモアゼル・イヴォンヌ、あなたは」とかに馴れているせいか、と文学好きな妹は、フランス語の発音に適する兄の美しい男性的な声調に聞き惚れているのだ。
岡本かの子 兄妹 青空文庫
私は抱かれたり、負さつたりした私の幼時の姉、又は皆んなでカルタ遊びをした私の少年時代の姉、それからずつと大きくなつて、既に戯曲や小説に読み耽るやうになつた頃、誘ひ合せて浄瑠璃など聞きに行つた頃、何かした拍子に、ふと鼻についた姉の肌の匂ひなどを仄かに思ひだしてゐた。
徳田秋声 町の踊り場 青空文庫
わかい馭者は窓のないカキ色の囚人馬車を梧桐のかげにひき入れたまま、しづかに読み耽る……こころもち疲れた馬の呼吸……短く刈つた栗毛の光沢から沁み出る臭の奇異な汗ばみ、その上にさしかくる新聞紙の新しい触感、わか葉の薄い緑の反射。
北原白秋 東京景物詩及其他 青空文庫
日々の新聞を待ち受けて読み耽る気持、その気持が、新聞は生活の一部であることを証拠立てる、とにかく新聞といふものは面白い、読まずにはゐられない。
種田山頭火 其中日記 青空文庫
その以来、わたしは芝居の本というものが好きになって、その草双紙類をいろいろ買ったり借りたりして読み耽るようになった。
岡本綺堂 明治劇談 ランプの下にて 青空文庫
大統領ウイルソン氏なども、同じやうに冒険小説に読み耽る一人である。
大正七(一九一八)年 茶話 青空文庫
氏はまたその小説にさへ読み耽る事の出来ない程の、ほんの一寸した閑を見つけた折には、窓硝子を指先で叩き/\、下らぬ小唄を謡ふ例になつてゐる。
大正七(一九一八)年 茶話 青空文庫
」 これは実際さうあるべきはずのことで、現に私なども好きな詩を読み耽ることによつて、どれたけ焦立つ自分の気をなごやかにし、ひいては病気を快くしたとまではいひ得ないにしても、病気から来る時々の発作の不気味さを押し鎮めることが出来たかわからない。
薄田泣菫 独楽園 青空文庫
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