所伝
しょでん
名詞
標準
文例 · 用例
◯エリパズは初め実験に微して「神は善なり」と説き、次にビルダデは所伝によりて「神は義なり」と主張す。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
友人たちとこの映画のうわさをしていたとき、居合わせたK君は、坊間所伝の宮本武蔵対|佐々木巌流の試合を引き合いに出した。
— 寺田寅彦 『映画雑感(3)』 青空文庫
然るに千金方の唐代の真を存してゐるものは、和気氏所伝の古抄本一巻があるのみである。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
毎本所載の三分一は他本に全く見えず、いずれも梵語で筆せられしは仏在世より後なれど、この物語は仏在世既にあまねく俗間に歌われ種々の増補と改竄を受けたのだから、和漢の所伝が現在インドの諸本と異処多きはそのはずだ。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
景蔵のところへは特に世話になった礼だと言って、副将田丸稲右衛門が所伝の黒糸縅の甲冑片袖を残した。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
神社仏寺とも古来所伝の什物、衆庶寄付の諸器物、並びに祠堂金等はこれまで自儘に処分し来たったが、これも一々教部省へ具状すべき筋のものであるか。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
これらの所伝によると、宇宙におけるあらゆるものの関係は数によって表わすことができる。
— スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 『宇宙の始まり』 青空文庫
が、悉く所伝通り、凡慧心僧都以後の物ばかりと思はれて、優れた作もありながら、何となく、気品や、風格において高い所が欠けてゐるやうに感じられる。
— 折口信夫 『山越しの阿弥陀像の画因』 青空文庫