邑々
邑々
名詞
標準
文例 · 用例
はるかに小手をかざせば助川の空はいちめんの火雲、近くの邑々で打ち鳴らす半鐘の音が風に乗って聞こえていた――。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
淡路島に、西の宮の神人が居つて、其が、西の宮の祭礼に参加する事、恰も古代の邑々に於て、海岸から離れた洋上に、神の島があり、其所から、神の来り臨むやうであつたのだと思ふ。
— 折口信夫 『偶人信仰の民俗化並びに伝説化せる道』 青空文庫
其は其として、昔から家の娘を守つた邑々も、段々えたいの知れぬ村の風に感染けて、忍び夫の手に任せ傍題にしようとしてゐる。
— 釋迢空 『死者の書』 青空文庫
さう謂ふ妻どひの式はなくて、數十代宮廷をめぐつて、仕へて來た邑々のあるじの家筋であつた。
— 釋迢空 『死者の書』 青空文庫
かう言ふ邑々の併合の最初に現れた事實は、信仰の習合、宗教の合理的統一である。
— 呪言と敍事詩と 『國文學の發生(第一稿)』 青空文庫
邑々の間に嚴に守られた祕密の信仰の上に、靈驗あらたなる異族の神は、次第に、而も自然に、邑落生活の根柢を易へて行つたのである。
— 呪言と敍事詩と 『國文學の發生(第一稿)』 青空文庫
飛鳥朝以前既に、太陽を祀る邑の信仰・祭儀などが、段々邑々を一色に整へて行つたであらう。
— 呪言と敍事詩と 『國文學の發生(第一稿)』 青空文庫
單に太陽神を持つて居た邑ばかりでなく、他の邑々でも、てんでに發生した事實もあらうが、多くはかうして授けられたらうと思はれる一つの樣式として、語部と言ふ職業團體――かきべ――が、段々成立して行つた。
— 呪言と敍事詩と 『國文學の發生(第一稿)』 青空文庫