漿
漿
名詞
標準
文例 · 用例
いかにして国運を恢復せんか、いかにして敗戦の大損害を償わんか、これこの時にあたりデンマークの愛国者がその脳漿を絞って考えし問題でありました。
— 信仰と樹木とをもって国を救いし話 『デンマルク国の話』 青空文庫
「君はいったい、誰に見せようとして、紅と鉄漿とをつけているのであるか。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
そんなにお美しくていらっしゃるのに、縁遠くて、一生|鉄漿をお附けせずにお暮しなさったのでございます。
— 太宰治 『葉』 青空文庫
白い紙に、元禄時代の女のひとが行儀わるく坐り崩れて、その傍に、青い酸漿が二つ書き添えられて在る。
— 太宰治 『女生徒』 青空文庫
遺伝は、結婚したら鉄漿をつけると云う。
— 吉行エイスケ 『新種族ノラ』 青空文庫
お蔦は、皓歯に酸漿を含んでいる。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
……「早瀬の細君はちょうど(二十)と見えるが三だとサ、その年紀で酸漿を鳴らすんだもの、大概素性も知れたもんだ、」と四辺近所は官員の多い、屋敷町の夫人連が風説をする。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
すでに昨夜も、神楽坂の縁日に、桜草を買ったついでに、可いのを撰って、昼夜帯の間に挟んで帰った酸漿を、隣家の娘――女学生に、一ツ上げましょう、と言って、そんな野蛮なものは要らないわ!
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫