応死
おうし
名詞
標準
文例 · 用例
半七も一応死人の傷口をあらためると、それは剃刀のような刃物で喉をえぐったらしかった。
— お照の父 『半七捕物帳』 青空文庫
僕も一応死体を見に出かけるつもりだが、その前に、嫌疑者として送られた男を一寸訊問して置こう。
— 小酒井不木 『呪われの家』 青空文庫
それは、所轄警察署から、一応死骸を検屍さして貰い度いと言って、司法主任と刑事二人、警察医を伴れてやって来たのです。
— 野村胡堂 『葬送行進曲』 青空文庫
平次は筵をあげて、一応死骸を見ましたが、あまりの虐たらしさに、ハッと眼を閉じたのも無理はありません。
— 恋患い 『銭形平次捕物控』 青空文庫
巳之吉は町役人を呼んで来てくれ、金太と若松は一応死骸の始末を手伝うのだ。
— 怪盗系図 『銭形平次捕物控』 青空文庫
一応死体を見せて貰った平次は、ちょうど下屋敷に居合せた家老の桜庭兵介に逢ってみようと思いました。
— 兵糧丸秘聞 『銭形平次捕物控』 青空文庫
ですから、少くとも八時頃には、誰れか生きた人間がこの部屋にいたことは明かです」 司法主任が私達の陳述を聞取って、手帳に書留めている間に、警察医は一応死体の検診を済ませていた。
— 江戸川乱歩 『D坂の殺人事件』 青空文庫
しかしその犯人は犯罪現場にはいないのだから、アリバイが成りたち、一応死人の殺人となるわけである。
— 江戸川乱歩 『探偵小説の「謎」』 青空文庫