有り丈
ありたけ異読 ありだけ
名詞副詞
標準
all that one has
文例 · 用例
亭主は家中に有り丈けのお金でお神さんの望み通りの馬車をこしらへて遣りました。
— 夢野久作 『金剛石』 青空文庫
古仏と云はれた人の真似も長命も、無論自分の分でないかも知れないけれども、羸弱なら羸弱なりに、現にわが眼前に開展する月日に対して、あらゆる意味に於ての感謝の意を致して、自己の天分の有り丈を尽さうと思ふのである。
— 夏目漱石 『点頭録』 青空文庫
何と云う気高い、何と云う無邪気な……彼は持ち合して居る有り丈けの讃辞を投げ出そうと試みた位であった。
— 川田功 『偽刑事』 青空文庫
此自力の無功なることを信ずるには、私の智慧や思案の有り丈を盡して、其頭の擧げやうのない樣になると云ふことが必要である。
— 清澤滿之 『我信念』 青空文庫
とにかく幼少なる「加八」君はここでそのありたけの深謀をちゃんちゃんこの裏にめぐらして最後の狙いを定めて「ズドーン」と云って火蓋を切る真似をする。
— 寺田寅彦 『追憶の冬夜』 青空文庫
「ありたけの魂をすっかり投げ出して、どうでもして下さいと言いたくなるような寂しさですね」「この底に、ある力強いものがあるんだが、まあ君は女だからね」 小唄に残っている間の土山へひょっこり出る。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
あれほど可愛がられた一人の母に隠立てをする、何となく隔てを作って心のありたけを言い得ぬまでになっている。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
一方では玉の巵に底あることを望んだり、久米の仙人に同情したり、恋愛生活を讃美したりしているが、また一方では(第百七段)ありたけの女性のあらを書き並べて痛快にこき下ろしているのである。
— 寺田寅彦 『徒然草の鑑賞』 青空文庫
作例 · 標準
私は毎日有り丈について考えている。
有り丈という言葉は日本語で重要だ。
彼は有り丈の意味を理解している。
この文には有り丈が含まれている。