才識
さいしき
名詞
標準
文例 · 用例
暇あれば内外の典籍を披閲して以て才識に資す。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
疫病の流行した年、或人の夢に、疫病神が文時の家には押入らず、其の前を礼拝して過ぐるのを見た、と云われたほど時人に尊崇された菅三品の門に遊んで、才識日に長じて、声名世に布いた保胤は、試に応じて及第し、官も進んで大内記にまでなった。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
あまりに非凡な女は自身の持つ才識がかえって禍いにもなるものであるから、西の対の姫君をそうは教育したくないとも思っていた。
— 葵 『源氏物語』 青空文庫
高い才識の見えるほどの人ではないが、前には才女と言われた更衣であったのを思って、評判どおりに気のきいた人であると大将は思った。
— 柏木 『源氏物語』 青空文庫
失った人よりもこの人のほうに才識のひらめきがあるではないか、なぜ女房などに出たのであろう、自分の妻の一人として持っていてもよかった人であったのにと薫は思っていた。
— 蜻蛉 『源氏物語』 青空文庫
日本の文学は源平以後地に墜ちてまた振わず、ほとんど消滅し尽せる際に当って芭蕉が俳句において美を発揮し、消極的の半面を開きたるは彼が非凡の才識あるを証するに足る。
— 正岡子規 『俳人蕪村』 青空文庫
しかもその非凡の才識も積極的美の半面はこれを開くに及ばずして逝きぬ。
— 正岡子規 『俳人蕪村』 青空文庫
日本の文学は源平以後地に墜ちて復振はず、殆んど消滅し尽せる際に当つて芭蕉が俳句において美を発揮し、消極的の半面を開きたるは彼が非凡の才識あるを証するに足る。
— 正岡子規 『俳人蕪村』 青空文庫