消え残る
きえのこる
動詞-五段-ラ行動詞-自動詞
標準
to remain unextinguished
文例 · 用例
山下の村人に山の名を聞くと、あれが蝶ヶ岳で、三、四月のころ雪が山の峡に、白蝶の翅を延しているように消え残るので、そう言いますという。
— 小島烏水 『梓川の上流』 青空文庫
「松か、」 夫人は残燈に消え残る、幻のような姿で、蚊帳の中から女中を呼んだ。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
客人は、堂へ行かれて、柱板敷へひらひらと大きくさす月の影、海の果には入日の雲が焼残って、ちらちら真紅に、黄昏過ぎの渾沌とした、水も山も唯一面の大池の中に、その軒端洩る夕日の影と、消え残る夕焼の雲の片と、紅蓮白蓮の咲乱れたような眺望をなさったそうな。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
硯友社の若い人達の光輝の前に、危く消え残る暁の星のやうなものであつた。
— 田山録弥 『明治文学の概観』 青空文庫
消え残る雪のきたなさ。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
それは緑の水中に、消え残る雪の塊とも擬うべき浴泉の婦人を見出したからであった。
— 江見水蔭 『壁の眼の怪』 青空文庫
消え残る屋根の雪の色に近き家家は石造の心地し、神田、日本橋、遠き街街の灯のかげは緑金と、銀と、紅玉の星の海を作れり。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集』 青空文庫
茫々たる原野の自から尽きず、しだいに天に逼って上へ上へと限りなきを怪しみながら、消え残る夢を排して、眼を半天に走らす時、日輪の世は明けた。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
作例 · 標準
夜明けの紫色の空には、まだ白く消え残る月がうっすらと浮かんでいた。
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森の奥深く、夏になっても日光の届かない斜面には冬の雪がわずかに消え残っている。
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キャンプファイヤーの跡を覗き込むと、灰の中に赤い火種がしぶとく消え残っていた。
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