亡滅
ぼうめつ
名詞
標準
文例 · 用例
大内義弘亡滅の後は堺は細川の家領になったが、其の怜悧で、機変を能く伺うところの、冷酷|険峻の、飯綱使い魔法使いと恐れられた細川政元が、其の頼み切った家臣の安富元家を此処の南の荘の奉行にしたが、政元の威権と元家の名誉とを以てしても、何様もいざこざが有って治まらなかったのである。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
人類亡滅の運に向つて居ることを覺る時になつたらば、其の掘鑿し難い智慧の井を深く/\掘鑿せんと、恐ろしい猛烈鋭利な意識の錐や鶴嘴を振り廻して、そして燃ゆるやうな生存慾の渇を止めんが爲に生命の水を汲まうとするで有らうか。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
併し淫念もまた或器分、即ち生殖系器の發達に伴なつて萌し來るものであり、造精器の摘出によつては殆ど亡滅するものである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
それは単に肉体の亡滅を指すに過ぎないではないか。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
ブルジョアジーをなくするためには、この階級が自己防衛のために永年にわたって築き上げたあらゆる制度および機関(ことに政治機関)をプロレタリアの手中に収め、矛を逆にしてブルジョアジーを亡滅に導かねばならぬ。
— 有島武郎 『広津氏に答う』 青空文庫
ブルジョアジーが亡滅すれば、その所産なるすべての制度および機関はおのずから亡滅して、新たなる制度および機関が発生するであろうとは、レニン自身が主張するところで、実際において、歴史的事実としては、かくのごとき経路が今行なわれつつあるようだ。
— 有島武郎 『広津氏に答う』 青空文庫
其の亡滅を取ること必せり。
— 森鴎外 『津下四郎左衛門』 青空文庫
しかし、秀吉がその愛児秀頼に、この難攻不落の名城を遺したことは、却って亡滅の因を遺したようなものである。
— 菊池寛 『大阪夏之陣』 青空文庫