赤手
せきしゅ
名詞
標準
bare handed
文例 · 用例
かの女の肉体の地図に戦争の持つ赤手袋を穿めて、僕は他日を約して一先ず退却だ。
— 吉行エイスケ 『戦争のファンタジイ』 青空文庫
しかし、今一方に数理と器械を持たない赤手のルクレチウスを立たせ、これと並べて他方に数学書と器械を山ほど積み上げた戸棚を並立させてよくよくながめて見るのもおもしろい。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
※出る化ものの数々は、一ツ目、見越、河太郎、獺に、海坊主、天守におさかべ、化猫は赤手拭、篠田に葛の葉、野干平、古狸の腹鼓、ポコポン、ポコポン、コリャ、ポンポコポン、笛に雨を呼び、酒買小僧、鉄漿着女の、けたけた笑、里の男は、のっぺらぼう。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
猫が三疋、赤手拭、すッとこ被り、吉原かぶり、ちょと吹流し、と気取るも交って、猫じゃ猫じゃの拍子を合わせ、トコトンと筵を踏むと、塵埃立交る、舞台に赤黒い渦を巻いて、吹流しが腰をしゃなりと流すと、すッとこ被りが、ひょいと刎ねる、と吉原被りは、ト招ぎの手附。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
其處のところを密と赤手で捕へて呉れる…… 暖い手で、握ツて遣ツても、濟アして掌を這ツてゐる奴を螢籠の中へ入れる…… 恰ど獄屋へ抛込まれたやうなものだが、些ともそれには頓着しない。
— 三島霜川 『水郷』 青空文庫
五人と揃って、屋台を取巻いて、立ったり、踞んだり、中には赤手拭をちょっと頭にのせたのも居て、――これは酒じゃない、大土瓶から、茶をがぶがぶ、丼の古沢庵を横噛りで遣ってると、破れかかった廚裡の戸口に、霜げた年とった寺男が手を組んで考えた面で居る処。
— 泉鏡花 『河伯令嬢』 青空文庫
濁れる崖下の瀧野川に浮びても、錦とは見えざるが、掛茶屋一面に敷きつめたる赤手布の上に散亂しては、さすがに野趣なしとせず。
— 大町桂月 『近藤重藏の富士山』 青空文庫
しかし、観察の武器を捨て、解剖の大刀を捨てゝ、赤手で『自然』の中に入つて行つて、そして猶ほ且つよく溺れず焼けざるものが何処にあるであらうか。
— 田山録弥 『自他の融合』 青空文庫
作例 · 標準
武器を捨て、赤手で猛牛に立ち向かったという伝説の男の物語を聞いた。
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「赤手でこの岩壁を登り切るとは、とんでもない身体能力だ」と観客がどよめいた。
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道具を使わず赤手で魚を捕まえる名人芸を、テレビ番組で披露する。
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